エンジニアの採用が難しい理由と人材確保の選択肢

エンジニアの採用が難しい理由と人材確保の選択肢

公開日:2026年10月29日

エンジニアの採用が難しい理由と人材確保の選択肢

写真:Adobe Stock

エンジニアの採用が難しい背景には、エンジニアを採用したい企業が多い一方で、求職者数が限られていることがあります。特に機械、電気・電子などの設計・開発の仕事やITエンジニアは求人数が求職者数を上回り、求人を出しても応募が集まらない状況が続いています。採用が決まるまでの間に、開発などの業務が滞ってしまうこともあります。

本記事では、エンジニアの採用が難しい理由、採用を進めるための工夫、あわせて検討したい人材確保の方法を解説します。エンジニアの確保にお悩みの企業のご担当者は、ぜひ参考にしてください。

目次
  1. エンジニアの採用が難しい理由

  2. 人手不足は多くの企業に広がっている

  3. 採用を進めるための4つの工夫

  4. 人材を確保する4つの方法

  5. 常用型派遣で長期的な戦力を確保する

  6. 地域と連携した人材育成の取り組み

  7. まとめ

  8. よくある質問

1. エンジニアの採用が難しい理由

採用が難しい主な理由は、求人数に対して求職者が少ないことです。ここでは、公的な統計をもとに、求人の状況とその背景を解説します。

職種別に見た有効求人倍率

有効求人倍率とは、求職者1人あたりの求人数を示す数値です。1倍を超えると、求職者よりも求人のほうが多い状態を表します。

厚生労働省の「一般職業紹介状況」によると、2026年7月の有効求人倍率(常用・パートタイムを除く)は、機械、電気・電子などの設計・開発の仕事で2.33倍です。15,051件の求人に対して、求職者は6,462人にとどまります。全職業計の1.16倍と比べると、約2倍の水準です。

ITエンジニアの有効求人倍率も1.50倍で、求人数が求職者数を上回っています。エンジニアの仕事は、ほかの仕事と比べて採用が難しい状況にあるといえるでしょう。

機械、電気・電子などの設計・開発の仕事の有効求人倍率は2.33倍、ITエンジニアは1.50倍、全職業計は1.16倍であることを示す棒グラフ(2026年7月・常用・パートタイムを除く)

図1:職種別に見た有効求人倍率

【出典】厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年7月分)」参考統計表7-2(常用・パートタイムを除く)

※「機械、電気・電子などの設計・開発の仕事」は同統計の職業分類「製造技術者(開発)」の値で、食品や化学製品などの開発の仕事も含みます。「ITエンジニア」は「情報処理・通信技術者」の値です。

採用が難しくなっている背景

背景の一つとして、大学の工学系の卒業者数が増えていない一方で、エンジニアを求める動きが広がっていることが考えられます。

文部科学省の「学校基本調査」によると、大学の工学系の学科を卒業した人は、2023年3月に87,851人でした。2024年3月は87,351人、2025年3月は87,287人と、ほぼ横ばいが続いています。

新卒で入社したエンジニアが経験を積み、経験者として転職市場に加わるまでには数年かかります。そのため、卒業者数が増えていないことは、経験者の採用が難しい理由の一つと考えられます。

一方で、エンジニアを求める動きは広がっています。たとえば、関東経済産業局の2025年7月の資料によると、半導体関連産業の主要9社だけで、今後10年間に4万人以上の半導体人材が追加で必要になる見込みです。

【参考】文部科学省「学校基本調査」

【参考】関東経済産業局「半導体分野の人材育成・確保等に向けた取組について」

2. 人手不足は多くの企業に広がっている

正社員が足りないという悩みは、エンジニアを求める企業に限らず、多くの企業に共通しています。ここでは、企業全体の状況を調査データで紹介します。

帝国データバンクの「人手不足に対する企業の動向調査」によると、2026年7月時点で正社員の不足を感じている企業の割合は51.3%です。7月の調査としては、4年連続で半数を超えました。

人手不足に悩む企業は自社だけではないため、選考フローを速めるなどの工夫をおこなっても、採用決定までの時期は非常に読みづらいのが実態です。

【参考】帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2026年7月)」

3. 採用を進めるための4つの工夫

それでも、求める条件や選考の進め方を見直すと、採用につながる可能性を高めることが期待できます。ここでは、自社で取り組める4つの工夫を要点に絞って紹介します。

必須条件と歓迎条件を分ける

必須条件と歓迎条件を分け、候補者の幅を広げましょう。求める経験のうち、入社後に身につけられるものを歓迎条件にすると、応募を検討できる人が増えます。

実務担当者も選考に入る

設計や開発の実務担当者も選考に入ることで、経歴書からは見えにくいスキルを判断しやすくなります。担当した製品やシステム、使ってきたツールについて、現場の目線で具体的に確かめられるためです。

給与や福利厚生を見直す

給与や福利厚生などの条件を、他社の求人と比べて見直しましょう。同じ職種の求人と並べてみると、自社の条件の強みや、改善できる点が見えてきます。

選考を早めに進める

候補者がほかの企業の選考も進めている場合があるため、面接の日程調整や結果の連絡は、できるだけ速やかにおこなうことが大切です。合否を早めに伝えることで、候補者との調整を進めやすくなります。

ただし、採用が決まる時期は読みづらいため、採用活動と並行して使える方法もあわせて検討しておくとよいでしょう。

【関連記事】エンジニア採用の手法7つを比較|媒体・人材紹介・技術者派遣の違い

4. 人材を確保する4つの方法

人材を確保する方法は、直接雇用だけではありません。ここでは、採用活動と並行して使える常用型派遣を中心に、4つの方法と自社に合った方法の選び方を解説します。

常用型派遣でエンジニアを受け入れる

常用型派遣とは、派遣会社に継続して雇用されているエンジニアを受け入れる形です。業務の指示は、派遣先企業である自社から出します。

エンジニアの雇用や給与の支払いは派遣会社がおこなうため、自社で求人を掲載したり、応募者の選考をおこなったりする必要はありません。派遣会社に必要なスキルや期間、人数を伝えると、条件に合うエンジニアの提案を受けられます。そのため、自社の採用活動を続けながら、人材確保の選択肢として活用できます。

急いで人材を確保したい場合や、必要な期間に合わせて人材を確保したい場合に適しています。また、中長期の業務に対応できる体制づくりの選択肢となります。

直接雇用で社員を迎える

直接雇用は、エンジニアを自社の社員として迎える方法です。求人媒体への掲載や人材紹介などを通じて採用します。中核の業務を長期的に任せたい場合に適しています。

社内育成で社員のスキルを高める

社内育成は、今いる社員に研修や実務を通じて、必要なスキルを身につけてもらう方法です。教える体制が整っていて、育成に時間をかけられる場合に適しています。

外注で業務を任せる

外注は、請負や準委任契約によって、業務を外部の企業に任せる方法です。請負は仕事の完成を、準委任契約は業務をおこなうこと自体を依頼する契約で、SES(システムエンジニアリングサービス)も準委任契約にあたります。業務の指示は受託企業から出すため、仕様や範囲が決まっていて、進め方まで任せたい場合に適しています。

自社に合った方法の選び方

方法を選ぶ前に、採用が長引いた場合の業務への影響と、新たに迎える人材の要件を整理しておくと安心です。次の3つの手順で整理しましょう。

まず、担当者が決まらずに停滞している工程と、ほかの業務への影響を書き出します。次に、その工程を進めるために必要なスキルを、必須条件と歓迎条件に分けて整理します。最後に、いつから、どのくらいの期間、何人のエンジニアが必要かを決めます。まとめた内容は、求人票を作るときにも、派遣会社に相談するときにも使えます。

4つの方法が適している場面は、次のとおりです。

方法

適している場面

常用型派遣

急いで人材を確保したい。必要な期間だけ人材を確保したい。

直接雇用

中核の業務を長期的に担ってもらいたい。業務への影響が大きくなく、適した人材をじっくり判断できる。

社内育成

育成できる人材が揃っていて、育成に時間をかけられる。

外注

仕様や範囲が決まっていて、業務の進め方まで受託企業に任せたい。

【出典】民法、労働者派遣法をもとに作成

整理した内容をもとに、自社から直接指示を出す必要があるか、いつから人材が必要か、業務をどれくらいの期間担ってもらうかの順に考えると、候補を絞りやすくなります。費用だけで判断せず、自社の担当者の業務状況なども含めて、多角的に検討することがおすすめです。

【参考】e-Gov法令検索「民法」第632条、第643条、第656条

【関連記事】エンジニア派遣とは?費用・契約形態・依頼の流れを企業向けに解説

5. 常用型派遣で長期的な戦力を確保する

ここでは、派遣先企業から見た常用型派遣の特徴を解説します。

派遣会社がエンジニアのキャリア形成やスキルアップを継続して支援しているため、中長期の業務に対応しやすい特徴があります。

一定期間続く開発や、仕様の変更が多い業務でも、自社の指示のもとで進められるでしょう。事業所の周辺でエンジニアが見つかりにくい場合にも、選択肢の一つになります。

常用型派遣で受け入れたエンジニアを、直接雇用に切り替えることも相談可能です。手順は関連記事で解説しています。

【関連記事】エンジニア採用の手法7つを比較|媒体・人材紹介・技術者派遣の違い

【関連記事】技術者派遣とは?機械・電気・ITなどのエンジニアを派遣で確保する方法

6. 地域と連携した人材育成の取り組み

常用型派遣を検討する際は、派遣会社がどのようにエンジニアを育成しているかも確かめておくとよいでしょう。スタッフサービス・エンジニアリングは、地域と連携しながら研修などを通じて人材育成をおこなっています。事業所周辺で候補者の確保が難しい地域や、人材不足が課題となっている産業への対応を目的としています。ここでは、半導体分野での取り組みを紹介します。

東北大学での体験型研修

スタッフサービスグループ公式noteでは、2024年2月に2日間の体験型研修を紹介しています。研修は、東北大学の半導体研究施設で実施しました。研修には、スタッフサービス・エンジニアリングのエンジニア10名が参加しました。約150の装置を備えた施設で、半導体製造の前工程にあたるウエーハの微細加工と、後工程にあたるモジュールの試作を体験しました。

地域の協議会などへの参加

半導体分野では、各地の経済産業局が設立した次の3つの組織に参加しています。

参加した時期は、北海道が2025年3月、東北が2023年8月、九州が2023年3月です。

2024年6月時点で、スタッフサービス・エンジニアリングの北海道と東北のエリアでは100名以上のエンジニアが半導体分野で就業していました。

北海道、東北、九州の半導体分野の協議会などと、東北大学での体験型研修の場所を示した地図

図2:半導体分野の人材育成の取り組み

【出典】スタッフサービスグループ公式note「東北大学で半導体体験型研修を実施 ~派遣エンジニアのキャリアチェンジを支援~」(2024年2月公開)、「地元の宮城で、未経験から半導体エンジニアに。学びの機会が豊富で、成長の手応えを感じられるのが楽しい」(2024年6月公開)

【出典】スタッフサービスグループ ニュースリリース「北海道半導体人材育成等推進協議会」に参画(2025年3月公開)、「東北半導体・エレクトロニクスデザイン研究会」に参画(2023年8月公開)、「九州半導体人材育成等コンソーシアム」に参画(2023年5月公開)

7. まとめ

エンジニアの採用が難しいのは、求人数に対して求職者が少ないためです。2026年7月の有効求人倍率は、設計・開発の仕事で全職業計の約2倍、ITエンジニアでも全職業計を上回っています。選考条件や進め方の改善は有効ですが、採用時期が読みづらいため、採用活動と並行して使える常用型派遣など、外部の手段もあわせて検討することをおすすめします。

まずは停滞している工程と必要なスキルを整理し、自社に合った人材確保の方法を選びましょう。

よくある質問

エンジニアの採用と人材確保について、よくいただく質問にお答えします。

Q. エンジニアの採用が難しい理由は何ですか?

求人数に対して、仕事を探しているエンジニアが少ないためです。大学の工学系の卒業者数がほぼ横ばいで推移する一方、エンジニアを求める動きは広がっています。

Q. エンジニアの採用難易度は、ほかの職種と比べてどのくらいですか?

エンジニアは、ほかの職種と比べて採用が難しい傾向にあります。2026年7月の有効求人倍率(常用・パートタイムを除く)は、機械、電気・電子などの設計・開発の仕事で2.33倍、ITエンジニアで1.50倍です。いずれも全職業計の1.16倍を上回ります。

Q. 常用型派遣、直接雇用、社内育成、外注は、どう使い分ければよいですか?

自社の指示のもとで業務に従事してもらうなら、直接雇用か常用型派遣がおすすめです。業務の進め方まで外部の企業に任せるなら、外注がおすすめです。社内で育成できる体制が整っており、時間をかけられる場合は、社内育成も選択肢の一つです。

Q. 採用活動を続けながら、常用型派遣を併用できますか?

併用できます。常用型派遣で受け入れたエンジニアを派遣期間の終了後に直接雇用する場合は、事前に派遣会社へ通知します。派遣会社が有料職業紹介の許可も取得している場合は、その職業紹介によって雇用し、派遣会社に紹介手数料を支払います。ニーズに合わせてご相談ください。

Q. 必要な人材の要件は、どのように決めればよいですか?

停滞している工程を書き出し、その工程に必要なスキル、必要な期間と人数を順に整理します。まとめた要件は、求人票にも、派遣会社への相談にも使えます。

スタッフサービス・エンジニアリングは、機械、電気・電子、IT・情報、化学などの分野で、常用型派遣を中心にエンジニアを派遣しています。2026年3月時点のエンジニア就業数は19,944人、取引先事業所数は7,635件です。2026年4月時点で全国に73拠点があり、2025年度のプロジェクト数は約100,000件です。

エンジニア就業数、取引先事業所数、拠点数、プロジェクト数の数字パネル

図3:数字で見るスタッフサービス・エンジニアリング

【出典】スタッフサービス・エンジニアリング「会社概要」「数字で見るSSE」

要件が固まっていない段階でもご相談いただくことが可能です。

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公開日:2026年10月29日/最終更新:2026年10月29日

この記事の監修者

山﨑 亮

株式会社スタッフサービス エンジニアリング事業本部長
株式会社スタッフサービス・ホールディングス 執行役員(エンジニア領域事業担当)

2008年、株式会社スタッフサービスに新卒入社。エンジニア派遣の営業職、オフィス長を経て、2017年4月にユニット長として中部・東海エリアを統括。2022年4月から株式会社スタッフサービス・ホールディングス執行役員(エンジニア領域事業担当)。

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