技術者派遣とは?機械・電気・ITなどのエンジニアを派遣で確保する方法

技術者派遣とは?機械・電気・ITなどのエンジニアを派遣で確保する方法

公開日:2026年10月29日

技術者派遣とは?機械・電気・ITなどのエンジニアを派遣で確保する方法

写真:Adobe Stock

技術者派遣とは、派遣会社が雇用するエンジニアを受け入れ、自社の指揮命令のもとで設計や開発などの業務に従事させる方法です。技術者派遣は、エンジニア派遣とも呼ばれます。

機械、電気・電子、IT・情報、化学などの分野で、設計や開発を担うエンジニアを派遣で確保したいと考えている企業も多いでしょう。技術者派遣では、長く安定してエンジニアに活躍してもらいやすい傾向のある常用型派遣が、活用されるケースが多く見られます。

本記事では、技術者派遣で従事してもらえる業務と、常用型派遣の仕組みやメリットを解説します。受け入れ期間制限ルール(いわゆる3年ルール)や、業務を依頼するときのポイントも紹介します。エンジニアの確保をご検討中のご担当者は、ぜひ参考にしてください。

目次
  1. 技術者派遣とは

  2. 技術者派遣で依頼できる業務

  3. 常用型派遣の仕組み

  4. 常用型派遣のメリット

  5. 常用型派遣と受け入れ期間制限ルール

  6. 技術者派遣を依頼するときのポイント

  7. まとめ

  8. よくある質問

1. 技術者派遣とは

技術者派遣では、エンジニアの雇用は派遣会社が担い、業務に関する指示や管理は派遣先企業がおこないます。ここでは、技術者派遣の仕組みと、対象となるエンジニアの分野を紹介します。

エンジニアは、派遣会社と雇用契約を結んでいます。給与の支払いや社会保険の加入などは、派遣会社がおこないます。一方、派遣先企業は指揮命令の役割のもと、業務指示や進捗管理を担います。

技術者派遣の対象となるエンジニアの分野は、機械、電気・電子、IT・情報、化学、生産技術、土木・建築などになります。

なお、社外のエンジニアの力を借りる方法には、派遣のほかに、SES(システムエンジニアリングサービス)などの準委任契約や請負もあります。これらの契約では、受託企業がエンジニアに指示を出します。エンジニアに直接指示を出したい場合は、技術者派遣での受け入れが選択肢の一つになるでしょう。成果物の納品を求める場合は請負、業務遂行を委ねる場合は準委任契約が候補になります。

【参考】e-Gov法令検索「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」第2条

2. 技術者派遣で依頼できる業務

技術者派遣では、機械、電気・電子、IT・情報、化学、生産技術、土木・建築の6つの分野のエンジニアを受け入れられます。ここでは、分野ごとに主な業務の例を紹介します。

分野

主な業務

機械

機構設計、構造設計、筐体設計、板金、樹脂、金型の設計、3D-CADや2D-CADによる設計とCADオペレーション、実機評価など

電気・電子

アナログ回路やデジタル回路の設計、LSI設計、FPGA設計、基板設計、シミュレーション、耐久試験など

IT・情報

要件定義、Webシステムや業務システムの開発、組込ソフトウェアや制御ソフトウェアの開発、サーバーやネットワークの構築、テストと評価など

化学

研究開発、プロセス設計、評価や分析、品質管理、品質保証など

生産技術

工程設計、治具設計、PLC設計、生産ラインの立ち上げと改良、製造設備の保守とメンテナンスなど

土木・建築

建築・土木設計、電気・設備設計、CADによる図面作成やトレース、積算や申請の補助、設備や建築の施工管理など

【出典】スタッフサービス・エンジニアリング「サービス・対応分野」「人材をお探しの企業様へ」、スタッフサービスグループ「設計・開発の人材紹介・人材派遣対応職種」

このほか、製品や設備の保守や点検を担うフィールドエンジニアや、技術の知識を活かして提案をおこなうセールスエンジニア(技術営業)の受け入れも相談できます。

設計、評価・試験、保守など幅広い工程の中から、希望する工程の中での業務の依頼が可能です。具体的には、設計者の指示にもとづく図面の作成、機能や性能の検証、不具合の原因分析などがあります。

依頼したい業務は、職種名だけでなく、工程ごとに書き出しておくとよいでしょう。たとえば評価や試験であれば、どの製品の、どのような試験を依頼したいのかまで整理しておきましょう。内容が具体的に伝わると、依頼したい業務に合うスキルのあるエンジニアのマッチングを検討しやすくなります。

3. 常用型派遣の仕組み

技術者派遣では、常用型派遣が活用されるケースが多く見られます。ここでは、常用型派遣の仕組みと、登録型派遣(一般派遣)など、ほかの種類との違いを解説します。

常用型派遣とは

常用型派遣とは、派遣会社に継続して雇用されているエンジニアを受け入れる形です。派遣会社が長期的な視点でキャリア形成やスキルアップを支援しているため、中長期のプロジェクトでも活用しやすい特徴があります。

厚生労働省の令和7年6月1日時点の調査によると、機械、電気・電子などの分野で派遣として働くエンジニアは86,465人です。このうち8割を超える70,532人が、無期雇用で働いています。派遣で働く人全体では、無期雇用の割合は43.5%です。機械、電気・電子などの分野では、無期雇用で働くエンジニアの割合が高いことがわかります。

ほかの派遣の種類との違い

登録型派遣とは、派遣期間に合わせて派遣会社と雇用契約を結んだエンジニアを受け入れる形です。短期の増員や欠員の補充など、急な業務の増減が生じる場合に活用しやすいでしょう。

一方、常用型派遣では、派遣会社と継続的な雇用契約を結んでいるエンジニアを受け入れます。中長期の開発や、継続して人材が必要な業務に適しています。

どちらが適しているかは、業務の増減やエンジニアを受け入れたい期間によって変わります。長く担ってもらいたい業務がある場合は、常用型派遣を検討するとよいでしょう。

このほか、紹介予定派遣という種類もあります。紹介予定派遣とは、派遣先企業での直接雇用を想定し、派遣期間終了後に職業紹介を実施する前提でエンジニアを受け入れる形です。派遣期間は最長6ヶ月で、その後の職業紹介の結果として派遣先企業とエンジニア双方が合意すれば、直接雇用へ移行します(この際、派遣会社への紹介手数料が発生します)。紹介予定派遣では、例外的に就業前の派遣先企業による面接等が認められています。

【参考】厚生労働省「労働者派遣事業の令和7年6月1日現在の状況(速報)」

※人数は、同調査の「製造技術者」の値です。

4. 常用型派遣のメリット

常用型派遣は、長く安定してエンジニアに活躍してもらいたい場合の選択肢の一つです。ここでは、派遣先企業から見た常用型派遣のメリットを、次の3つに分けて紹介します。

長く安定して活躍してもらえる

常用型派遣では、期間の長い開発でも、同じエンジニアに腰を据えて取り組んでもらいやすくなります。業務の経験が積み重なるにつれて、自社の製品や仕事の進め方への理解も深まっていくでしょう。チームの一員として、中長期の開発計画を継続的に担当してもらいやすくなります。

スキルを高めたエンジニアを受け入れられる

常用型派遣では、派遣会社のもとで教育訓練の機会が設けられているエンジニアを受け入れられます。派遣会社による段階的な教育訓練は、労働者派遣法で義務づけられています。無期雇用のエンジニアについては、長く能力を発揮できるよう配慮することも求められています。

スタッフサービス・エンジニアリングでは、研修受講料の補助や資格取得奨励金などの制度で、エンジニアのスキルアップを支援しています。派遣先企業にとっては、新しい知識や資格を身につけたエンジニアに、より幅広い業務を担ってもらえることが期待できます。

採用活動と並行して確保できる

社員の採用活動を続けながら、必要な時期に合わせてエンジニアの確保を相談できるのもメリットです。常用型派遣では、派遣会社に雇用されているエンジニアの中から、条件に合う人材を人選してもらうことができます。スタッフサービス・エンジニアリングでは、全国73拠点(2026年4月時点)のネットワークを生かし、全国から条件に合うエンジニアを探してマッチングします。開発の日程を守りながら、採用にもじっくり取り組みやすくなります。

【参考】e-Gov法令検索「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」第30条の2

【参考】スタッフサービス・エンジニアリング「キャリア支援の仕組み」

【関連記事】エンジニアの採用が難しい理由と人材確保の選択肢

5. 常用型派遣と受け入れ期間制限ルール

派遣でエンジニアを受け入れられる期間には、受け入れ期間制限ルールがあります。このルールの対象になるかどうかは、主にエンジニアの雇用形態によって決まります。ここでは、受け入れ期間制限ルールの内容と、長く活躍してもらいたい場合の進め方、契約前に伝える情報を解説します。

事業所単位と個人単位の期間制限

労働者派遣の受け入れについて、すべての業務において、①事業所単位、かつ②個人単位の期間制限が適用されます。

①事業所単位は、同一の事業所において派遣を受け入れられる期間です。この期間は原則3年までです。ただし、派遣先の事業所の過半数労働組合等から意見を聴いた上であれば、3年を限度として派遣可能期間を延長することができます。延長後も、同様の手続きをおこなうことで、さらに延長できます。

②個人単位は、同じ派遣社員を同じ組織単位で受け入れられる期間です。組織単位とは、課やグループなどを指します。この期間は3年までで、事業所単位の制限とは別の制限です。個人単位の期間は延長することができません。

雇用形態による適用の違い

受け入れ期間制限ルールの対象は、有期雇用の派遣社員です。無期雇用の派遣社員は原則対象外です。無期雇用の派遣社員のみを受け入れる場合は、事業所単位の期間制限も適用されません。

常用型派遣のエンジニアには、派遣会社と期間の定めのない契約(無期雇用)を結んでいる人と、期間の定めのある契約(有期雇用)を結んでいる人がいます。そのため、常用型派遣で受け入れるエンジニアでも、有期雇用の場合は受け入れ期間制限ルールの対象になります。

無期雇用の派遣社員は受け入れ期間制限ルールの原則対象外、有期雇用の派遣社員は対象であることを2列で整理し、労働者派遣契約の前に派遣先企業が自社の労働者の待遇に関する情報を提供し、対象となる派遣では抵触日も通知することを補足した図

図1:雇用形態ごとの受け入れ期間制限ルールの適用

【出典】労働者派遣法をもとに作成

中長期の活躍を希望する場合は、無期雇用のエンジニアを受け入れるとよいでしょう。原則として受け入れ期間制限ルールの対象外のため、同じエンジニアに引き続き業務を依頼しやすくなります。引き継ぎや教え直しの手間も抑えられるでしょう。長く活躍してもらいたい場合は、依頼の段階で派遣会社に雇用形態を確認しましょう。

労働者派遣契約を結ぶ前に伝える情報

労働者派遣契約を結ぶ前には、派遣先企業から派遣会社へ伝える情報もあります。派遣先企業は、自社の労働者の待遇に関する情報を派遣会社に提供します。受け入れ期間制限ルールの対象となる派遣では、事業所単位の期間制限に抵触する最初の日(抵触日)も、あわせて通知します。

そのほかの例外や、期間の上限を迎えるときの対応は、関連記事で解説しています。

【参考】e-Gov法令検索「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」第26条、第40条の2、第40条の3

【参考】厚生労働省「平成27年労働者派遣法改正法の概要」

【関連記事】派遣社員の抵触日とは?抵触日を迎えたときの対応も解説

6. 技術者派遣を依頼するときのポイント

技術者派遣は、派遣会社への相談から始まり、要件の整理、契約手続き、候補者の選定、職場見学を経て就業開始となります。ここでは、依頼をスムーズに進めるためのポイントを紹介します。

相談の際は、従事してもらう業務内容や必要なスキル、人数、期間、就業場所などを、なるべく具体的に伝えることが大切です。要件が明確なほど、派遣会社も条件に合う人材を選定しやすくなります。3年を超える長期の業務になりそうな場合は、その旨も伝えておくとよいでしょう。

派遣料金は、職種やスキル、業務内容などによって異なります。派遣料金の目安も、相談の段階で確認しておくと安心です。公的統計にもとづく派遣料金の平均や内訳は、関連記事で解説しています。

要件を整理したら、派遣会社と労働者派遣契約を締結します。

整理した内容をもとに、派遣会社が条件に合うエンジニアを選定します。

候補者の希望に応じて職場見学を実施します。職場見学は、エンジニアが業務内容や職場環境を、就業前に確かめるための場です。

【注意点】派遣先企業は採否を目的として選考をおこなうことができません(紹介予定派遣を除く)。

【参考】e-Gov法令検索「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」第26条

【関連記事】エンジニア派遣とは?費用・契約形態・依頼の流れを企業向けに解説

7. まとめ

技術者派遣で受け入れたエンジニアには、設計から評価や試験、生産技術、保守など幅広い業務に従事してもらえます。中でも常用型派遣は、中長期の開発など、長く安定してエンジニアに活躍してもらいたい場合の選択肢の一つです。受け入れ期間制限ルールの適用は、主にエンジニアの雇用形態によって決まります。

長く担ってもらいたい業務があれば、決まっている範囲で業務内容と期間の見込みを整理し、派遣会社に相談しましょう。

【関連記事】エンジニア採用の手法7つを比較|媒体・人材紹介・技術者派遣の違い

よくある質問

技術者派遣について、よくいただく質問にお答えします。

Q. 技術者派遣とエンジニア派遣は違いますか?

同じ意味で使われる言葉です。どちらも、派遣会社が雇用するエンジニアを受け入れ、自社の指揮命令のもとで業務に従事させる方法を指します。

Q. 常用型派遣と登録型派遣は、何が違いますか?

常用型派遣は、派遣会社に継続して雇用されているエンジニアを受け入れる形です。登録型派遣は、派遣期間に合わせて派遣会社と雇用契約を結んだエンジニアを受け入れる形です。常用型派遣は中長期の開発など継続的な業務に適しています。登録型派遣は、短期の増員や欠員の補充など、急な業務の増減が生じる場合に活用しやすいでしょう。

Q. 常用型派遣のエンジニアにも、受け入れ期間制限ルールは適用されますか?

雇用形態によって異なります。無期雇用のエンジニアは原則対象外で、有期雇用のエンジニアは原則として対象です。無期雇用の派遣社員のみを受け入れる場合は、事業所単位の期間制限も適用されません。長く活躍してもらいたい場合は、依頼の段階で派遣会社に雇用形態を確認しましょう。

Q. 技術者派遣では、どのような業務に従事してもらえますか?

機械、電気・電子、IT・情報、化学、生産技術、土木・建築などの分野のエンジニアを受け入れられます。設計から評価や試験、保守など、幅広い工程の業務に従事してもらえます。

Q. エンジニアの就業前に、職場見学はできますか?

候補者の希望に応じて職場見学を実施します。職場見学では、エンジニアが業務内容や職場環境を、就業前に確かめられます。派遣先企業は採否を目的として選考をおこなうことができません(紹介予定派遣を除く)。

スタッフサービス・エンジニアリングは、機械、電気・電子、IT・情報、化学などの分野で、常用型派遣を中心にエンジニアを派遣しています。2026年3月時点のエンジニア就業数は19,944人、取引先事業所数は7,635件です。2026年4月時点で全国に73拠点があり、2025年度のプロジェクト数は約100,000件です。

エンジニア就業数、取引先事業所数、拠点数、プロジェクト数の数字パネル

図2:数字で見るスタッフサービス・エンジニアリング

【出典】スタッフサービス・エンジニアリング「会社概要」「数字で見るSSE」

要件が固まっていない段階でもご相談いただくことが可能です。

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公開日:2026年10月29日/最終更新:2026年10月29日

この記事の監修者

山﨑 亮

株式会社スタッフサービス エンジニアリング事業本部長
株式会社スタッフサービス・ホールディングス 執行役員(エンジニア領域事業担当)

2008年、株式会社スタッフサービスに新卒入社。エンジニア派遣の営業職、オフィス長を経て、2017年4月にユニット長として中部・東海エリアを統括。2022年4月から株式会社スタッフサービス・ホールディングス執行役員(エンジニア領域事業担当)。

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